『異端のネシオ』のキャラ達がTRPGをするお話パート12。ルールは旧版。
状況
異能について
カスム 《危険予知》:自動発動。MP-1。成功率100%。自分の身に迫る危険を察知。
ククル 《君を射止める三本の愛の矢》:任意発動。MP-1。成功率90%。対象の異性を3分間魅了状態にする。同じ相手には使用出来ない。
エビ 《食用エビ》:任意発動。MP-1。成功率90%。自分を食せる状態にする。発動中は水の中でも呼吸が出来るようになり、受けたダメージは瞬時に回復する。
チヂリ 《シミュレーション》:任意発動。MP-1。成功率90%。自分の行動の結果を前もって知る。
ユウガ 《Dead Angle》:任意発動。MP-1。成功率90%。対象の死角へ瞬時に移動する。また、攻撃・異能・視線の対象外となる。
ギンジロウ 《セツナ》:任意発動。MP-1。成功率90%。一定範囲内での行動を瞬時に完了させる。
エル 《カエルの舌》:任意発動。MP-1。成功率90%。赤いものを操る。
ハンメ 《天邪鬼》:任意発動。MP-1。成功率90%。対象に本心と真逆の行動をさせる。
半魚人のアジト
ククルも水着に着替え、意を決し、海蝕洞に飛び込んだ。
はっ……!
底の浅い水溜まりに吸い込まれ、転移した先は水の中――。突然全身が水に包まれたお前は、本来なら酷く混乱するところだが、事前情報を得ていた御蔭でSANチェックは無しだ。
もう息出来ねーんだよな? 水泳?
それじゃ、息継ぎ出来る場所までしっかり泳げるか、水泳で判定する。
ククル 水泳 88 / 60
ユウガ 水泳 43 / 60
ごぼ……ごぼごぼ……!
ククルは失敗。少し時間が掛かり、耐久力とMPを1ずつ消耗した。
ククル 耐久力 12 - 1 → 11 MP 13 - 1 → 12
ハァー……! 死ぬかと思った。
まだ陸は見えない。また潜るぞ。もう1回水泳。
ククル 水泳 95 / 60
ユウガ 水泳 36 / 60
ごぼごぼごぼ……!
ちゃんと付いて来てるか?
ククル 耐久力 11 - 1 → 10 MP 12 - 1 → 11
ハァー……! ハァー……! マジでキツいわ。
大変だったみたいだな。でも、これでちゃんと上がれる場所に着いたぞ。
半魚人はどうだ? いるか?
目で見えてる範囲にはいないな。ここで俺とククルは聞き耳を振る。
ククル 聞き耳 79 / 60
ユウガ 聞き耳 78 / 50
あっ。
ククルも俺も、耳に水が詰まってしまったようだな。
くっそー、どうするよ?
トラブルは覚悟で来てるんだ。道は一本だし、さぁ行くぞ。
ここの洞窟は忍び歩きで成功すれば足音を消せるんだが、俺もお前も取ってないから、止めておいた方がいいだろう。
それでも慎重には行くさ。
では、俺とククルは出来る限り物音を立てないようにしながら、洞窟の奥へと進んだ。
入り組んではおらず、ところどころ明かりはあるので迷う心配は無さそうだが、敵に見つかれば大変なことになるだろう。
俺はお前と一緒に魚の餌なんて御免だからな。
ハハハ。安心しろ。俺もだ。
――と、そんな軽口を叩きながら進んでいると、魚の生臭い臭いが強まってくる。この先には恐らく半魚人がいるだろう。戦闘の準備は大丈夫か?
隠れられるんだったらまず隠れようぜ。
分かってる。
さて、ここでもう1回聞き耳を振ろう。
ククル 聞き耳 47 / 60
ユウガ 聞き耳 87 / 50
ククルだけ成功。お前は魚の臭いに、別の悪臭が混じっていることに気付いた。何かが腐ったような臭いだ。
何だよこれ……、すげーくせーんだけど。
我慢するしかない。
いや、何か魚以外の臭いが混じってねーか?
ん?
そう言われた俺は、よく臭いを嗅ぎ、そして気付いた。
知ってる臭いだな。
どうせ人間の死体だろ。
分かってるじゃないか。
SANチェック嫌過ぎる。
ハハ。さて、洞窟を進んで行くと、俺達は開けた場所に出た。
不快な臭いは更に強さを増し、鼻を押さえずにはいられない。
吐くぞ、もう。
ここでは部屋の中心だけが明るくなっていて、そこには大量の半魚人が集まっている。それを見た俺達は、すぐに近くの岩陰に隠れた。
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おい、やべーよ、シバ。めっちゃいるじゃねーか。
ああ。《Dead Angle》を使っても、あの数を仕留め切るのは不可能だろう。
ここで目星と聞き耳を振るぞ。
ククル 目星 14 / 80
ユウガ 目星 19 / 50
ククル 聞き耳 87 / 60
ユウガ 聞き耳 45 / 50
半魚人達は何かを取り囲むように座り、俯き、何かを呟いている。目星に成功した俺達は、彼らが大量の人間の死体を取り囲んでいることに気付き、SANチェックだ。成功1、失敗1D6。
嘘だろ……、一人や二人じゃねーぞ。
ククル SAN 42 / 62
ユウガ SAN 100 / 58 ファンブル! < デデーン!!
あっ。
何やってんだよ……!!
まぁ仕方ない。俺は最大値の6減る。
あろうことか、俺は半魚人や人間の死体を見て、異常な食欲が湧いてきた。
ありえねーだろwww。この異臭だぞ。
俺は一応、聞き耳にも成功している。半魚人達が何か呪文のようなものを唱えていることをお前に伝えたところで狂い出そう。
なぁ、ククル。人間の死体って何であんなに美味しそうに見えるんだろうな? 血に塗れてるからか?
見えねーって。しっかりしろ。
あの半魚人も……あぁ、でっかい魚食いてーなぁ……。
早くイベント進めてくれ……。
じゃあ、狂い出した俺をククルが抑えている時だ。明かりを持った二人の半魚人が、人間を連れ、集団に近付いてきた。
その人間は、昨日お前が溺れていたところを助けた女性だ。
何っ……!?
いやっ! 放して!
女は声を上げ、必死に抵抗しているが、複数の半魚人達に押さえられ、逃げ出すことが出来ずにいる。
このままでは、きっと彼女も殺され、あの死体の山の一部となることだろう。
ここでお前は彼女を救う為に飛び出すか、見捨てるか、選ばなくてはならない。
う~ん……。
顔が普通なのが残念なところだが、このチャンスを逃したらもう女を手に入れるチャンスはないだろうからな。ここは助ける。
あくまでも身体目当てか。まぁいいだろう。
岩陰から飛び出し、女を押さえ付けている半魚人に先制攻撃を喰らわせる――。二人で同時に行くぞ。
鍛えたこぶしが活躍しそうだ。
それでは判定を先にしよう。
ククル こぶし 69 / 70(+20)
ユウガ キック 94 / 80
俺は攻撃を外したが、ククルのこぶしが命中!
ダメージ 1D3 → 2
ダメージボーナス 1D4 → 1
半魚人A 耐久力 12 - 3 → 9
くっそ! 上手くいかなかったか。
いや、まだだ。俺には《Dead Angle》がある。
ユウガ 異能《Dead Angle》発動 68 / 90 MP 9 - 1 → 8
ユウガ キック 62 / 80
ユウガ マーシャルアーツ 42 / 60
ダメージ 1D6 → 6
ダメージボーナス 1D4 → 2
合計ダメージ 6 × 2 + 2 → 14
半魚人B 耐久力 12 - 14 → 0
俺は異能によって一瞬で半魚人Bの背後に移動。強烈な蹴りを繰り出し、一撃でその命を奪った。
すげぇ。
おい、見惚れてる場合か。早く女を連れて逃げろ。
おっと、そうだ。さぁ、立って……。
はい……!
俺が半魚人を食い止めている隙に、ククルと女が逃げる。すぐに逃げられるかは、DEX対抗で判定する。
ククルと半魚人 DEX対抗 74 / 40
女と半魚人 DEX対抗 92 / 50
お前ら足おっそ。
うるせー、全身ずぶ濡れだからだよ。
仕方ない。俺は一斉に襲い来る半魚人の集団に、攻撃を繰り出す。
ユウガ キック 31 / 80
ユウガ マーシャルアーツ 56 / 60
ダメージ 1D6 → 4
ダメージボーナス 1D4 → 3
合計ダメージ 4 × 2 + 3 → 11
半魚人集団 耐久力 ?? - 11 → ??
ユウガ 異能《Dead Angle》発動 63 / 90 MP 8 - 1 → 7
ユウガ キック 48 / 80
ユウガ マーシャルアーツ 26 / 60
ダメージ 1D6 → 2
ダメージボーナス 1D4 → 4
合計ダメージ 2 × 2 + 4 → 8
半魚人集団 耐久力 ?? - 8 → ??
ユウガ 異能《Dead Angle》発動 39 / 90 MP 7 - 1 → 6
ユウガ キック 53 / 80
ユウガ マーシャルアーツ 8 / 60
ダメージ 1D6 → 3
ダメージボーナス 1D4 → 2
合計ダメージ 3 × 2 + 2 → 8
半魚人集団 耐久力 ?? - 8 → ??
ふぅ、これだけダメージを与えれば、相当敵の注意を引き付けられるだろう。ククルと女は俺と半魚人が戦っている隙に部屋から逃げ出すことが出来た。
よし、後は水泳か……!
しかし――その時だ。突然、人間の死体の山が青く光り輝き始めた。正確には、その下の地面に描かれた魔法陣が光っている。
何だ……!?
脱出
死体の山はその光に包まれて消え、代わりに巨大な水の塊のような物体がそこに出現した。
ヤバい。何か召喚されたぞ!?
その水の塊はどんどん大きくなっている。早く逃げなければ、全員得体の知れない水に飲まれてしまうだろう。
ユウガと水の塊 DEX対抗 31 / 55
DEX対抗に成功した為、俺も何とか逃げ出すことが出来た。後ろを振り返ると、半魚人達は皆、水の塊に飲まれている。
早く逃げるぞ! 水泳!
よし、じゃあ全員で水泳。
ククル 水泳 66 / 60
ユウガ 水泳 73 / 60
女 水泳 91 / 50
ああ!? 待ってくれ。全員失敗とかどうするんだ?
ここでの失敗は、耐久力とMPに2のダメージだ。
ククル 耐久力 10 - 2 → 8 MP 11 - 2 → 9
ユウガ 耐久力 13 - 2 → 11 MP 6 - 2 → 4
女 耐久力 ?? - 2 → ?? MP ?? - 2 → ??
水嵩が増したことで、息継ぎ出来る場所は完全に無くなった。次の失敗は3のダメージになる。
死にたくねぇ……!
ククル 水泳 41 / 60
ユウガ 水泳 12 / 60
女 水泳 38 / 50
今度は全員成功だ!
よし、全員必死に泳いで逃げた結果――。
海蝕洞前
何とか――半魚人のアジトから脱出することが出来たな。
どうした……!? 大丈夫だったか?
ああ、ククルも無事だ。
捕まってた奴も救出してきた。早くここから離れようぜ。
そうだな。しかし――。
全員、辺りが暗くなってきていることに気付くだろう。風も少し強まっている。
む? 何だか雲行きが怪しいのじゃ。
天気予報、外れてんじゃねーか。
早くチヂリ達と合流しよう。砂浜の方へ行くぞ。
異変
急いで砂浜に駆け付けると、そこには討伐班と、行方不明だったエビの姿があった。近くには巨大タコと巨大イカの死骸がある。
お前らマジで倒したのか、すげーな。
案外弱くて拍子抜けだったぜ。
エビも無事で良かったよ……。
今、異能使えないから、私食べられないエビなんだぁ。ゴメンね。
さぁ早くホテルに戻ろうぜ。嫌な天気になってきたし。
もう空は雲で覆われ、ポツポツと雨が降り出しているな。
雨!
エル、戻るよ。
う~~。
カワカミ。今は何が起こるか分からないから、一旦ホテルに戻ろうな。
は~い。
では全員で砂浜から去ろうとした時だ。
何処からかヒヒ~ン! という大きな馬の鳴き声が聞こえてきた。
えっ、何だ?
ここでカスムの異能――《危険予知》が発動する。
カスム 異能《危険予知》発動 MP 9 - 1 → 8
カスムは上から何か巨大な物体が降ってくる未来を察知した。
皆! 上から何か降ってくる! 逃げろ!!
くそっ、散れ!!
了解!
今潰されたら死んじゃう!!
今度は何が来た!?
カスムの叫びを聞き、全員がその場から散ると、さっきまで集まっていた場所に上から巨大な黒い物体が降ってきた。
舞い上がる砂煙で、お前らの視界は一瞬閉ざされるだろう。
けほっけほっ! あっぶね! 岩でも降ってきたのか!?
何も見えない……! 皆無事か!?
大丈夫! エビは後ろに逃げるのが得意なんだよ!
あたしも平気だ。殺し屋だからな。
それでは砂煙が晴れた時――お前らは目にするだろう。こちらを睨め回す半馬半魚の怪物――神話生物ヒッポカムポスの姿を――。
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