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『ケロタン』第4話「冒険の心得その②」(2/6)

ケロタン:勇者の石+2

 

 ◆ 第四の難関・骸の山 ◆

 

 レース開始から三時間が経過。

 密林を抜けたケロタン達は、次の難関――骸の山を通っていた。

 この山は、ところどころに恐竜を思わせる大きな骨が埋まっており、それを掻い潜りながら登らなければならない。先が鋭く尖ったものもあり、危険だ。

 しかし、ここでは魔法が使える為、ケロタン空中に足場を出現させる魔法ツギ植物を操る魔法テロ土を操る魔法マッドはその腕のドリルで、それぞれ行く手を阻む骨を乗り越えていく。

 スタート時はだいぶ互いの邪魔をし合っていた他の選手達も、体力の消耗を抑える為か、襲ってくる気配はない。

 

 「やっぱ何処かで眠ったり、休憩を挟まなきゃならなそうだな。」

 

 ケロタンが呟くと、ツギ達は頷く。

 

 「日が落ちるまでは頑張ろう。」

 

 日没までは十時間以上ある。まだまだへばってはいられない。

 

 「待てぇー!!」

 「ん?」

 

 振り返ると、またガラゴ族スモールノーマンのコンビが迫ってきていた。

 

 「またあいつらか……。」

 

 ケロタンは一旦、足場を消し、骨の上に着地した。

 

 《ビビッ!!

 

 「うおっと!」

 

 しかし突然、スモールノーマンの角から白い電撃が放たれ、足場の骨を破壊。

 ギリギリかわしたケロタンは、太い骨の後ろに隠れた。

 

 「チッ……かわしたか。おい、ノー!」

 「へい、アニキ!」

 

 ノーと呼ばれたスモールノーマンは、電撃でそこら中の骨を破壊し、また他の参加者達の邪魔をし始める。

 

 《ビビッ!! ビビッ!!

 

 「ははっ! いいぞ、ノー!! もっとやれぇ!!」

 

 その時だった。

 

 《ドゴッ!!

 

 「なっ! ぐわぁっ!!」「ぎにゃっ!!」

 

 ガラゴ族スモールノーマンは、突如地面から突き出た岩に激突――痛みに頭を抱え出した。

 

 「何だあれ……。」

 「あっ、今の僕が……。」

 

 テロがおずおずと手を挙げる。今のは彼の魔法だったようだ。

 

 「でかした!」

 

 ケロタンテロと共に、急いで先へ逃げるのだった。

 

 ◆ 第五の難関・強風の崖 ◆

 

 骸の山の登山道は、進めば進むほど険しくなっていく。

 ここから先は、強風の吹く崖道だ。

 道幅が狭く、この場所だけは魔法が使えないようで、ケロタン達は岩肌に張り付いての進行を余儀なくされる。

 足場は今にも崩れそうで、もしここで押し合いにでもなったら危険だ。

 

 「私が見張りになろう。急がず慎重に進め。」

 

 ツギが見張りとなり、ケロタン達は慎重に進んでいく。

 

 《フュオオオオオオ……!!》 「おっと……!」

 

 ケロタンマッドは強風に煽られ、肝を冷やす。

 一方、身体の重いテロは何ともなさそうで、下を見ないことだけに集中しながら進んでいく。

 そうして三人は、無事に第五の難関を突破することができた。

 

 「おーい、ツギ! 渡り終え――」

 

 《バアァァァン!!

 

 「!?」「何だ!?」

 

 突然の爆発音に、ケロタン達は硬直した。

 

 「フレアタンだ! 先に行け!!」

 

 声を張り上げるツギ

 どうやらいつの間にか順位が入れ替わっていたらしい。

 ここからでは見えないが、ツギは追い付いてきたフレアタンと戦っているようだ。

 

 「おい! 行こう。」

 

 マッドに腕を叩かれ、ケロタンは僅かな逡巡しゅんじゅんの末、走り出す。ここはツギを置いていくしかない。

 彼が時間稼ぎをしている内に、少しでも距離を離さなくては……。

 

 ◆ 第六の難関・灼熱の火山 ◆

 

 進むにつれ、段々と風が熱気を帯びてきた。

 途中聞こえてきたシカーイの声によると、この先は火山エリア

 またも景色はがらりと変わり、赤黒い大地に溶岩の流れる――過酷なフィールドが姿を現した。

 

 「余裕で死ねるな……。」

 

 ここで魔法が使えるのは幸いだった。

 ケロタンマッドはそれぞれ自分の身体に暑さを軽減する魔法をかける。

 

 「テロは大丈夫なのか?」

 「うん、ちょっと暑いけど、平気。」

 

 テロはここに来てようやく暑さというものを感じ始めたらしい。

 

 「フレアタンラド族ならもっと平気だろうな。」

 

 マッドはうんざりといった調子でそう言うと、ドリルを回転させ始めた。

 周囲を見回すと、溶岩の川から何かが出てきている。

 

 「マグマグだ。」

 

 それは溶岩に潜む怪物――。スライム系魔物の一種だ。

 パッと見、溶岩と区別がつかないが、あの動き……間違いなく意思を持ってこちらに向かってきている。

 

 「マッド、あれに接近戦はマズいって。溶けちまう。」

 「このドリルはそんなやわじゃない。あのメタルシティ優秀な職人が作った戦闘用義肢だからな。」

 

 メタルシティ……。南の海沿いにある――物の製造・加工技術が発展していることで有名な街だ。

 沢山の工場や工房があり、多くの技術者がそこに集まっていると聞く。

 なら心配は無用か……いや。

 

 「それでも遠距離からやった方がいいだろ。任せろ。」

 

 ケロタンは両腕に力を溜め、《ロダン》を放つ準備をする。

 それを見たテロも、魔物に向き合い集中し始める。

 

 「……分かった。ここは頼む。」

 

 マッドがドリルを止め、ケロタン達は走り出す。

 

 「《ロダン》!」

 「《トゲミサイル》!」

 

 行く手を阻む魔物を蹴散らしながら、三人は灼熱の大地を駆けていく。

 

 (やっぱ……こういう冒険も悪くないよな。)

 

 ケロタンは、この時、湧き上がってきた感情をしかと心に刻んでおくのだった。

 

 ◆ 第七の難関・炎神の祠 ◆

 

 かくして、火山エリアの奥地に辿り着いたケロタン達は、物々しい雰囲気が漂う祠を発見した。

 左右には今にも動き出しそうな火竜の巨像が置かれている。

 

 「恐らくボスだな……。」

 

 サバイバルレースにはボスエリアというものが存在する。

 そこで出現する魔物を倒さなければ、誰一人先に進むことはできないのだ。

 

 「あれ? 扉が開いてるぞ?」

 

 しかし、中に入ったケロタン達は、奥の扉が既に開いていることに気付く。

 魔物が出て来る気配はない。

 

 「どうやら、先を越されたみたいだな。」

 「嘘だろ……。」

 

 にわかには信じられなかったが、扉が開いているということは、魔物が倒されたということ。

  そこここに焼け焦げた跡があり、火山もだいぶ広かったので、いつの間にかフレアタンに抜かされた可能性もある。

 

 「今、順位どうなってんだろうな……。」

 「……まぁ誰にしろ、助かる。楽に通れるからな。」

 

 マッドは扉に向かって歩いていく。

 何だか釈然としないが、ここで考え込んでもしょうがない。ケロタンテロを連れ扉へと向かった。

 

 ◆ 第八の難関・濃霧の湖 ◆

 

 レース開始から八時間が経過し、日没まで残り五時間。

 ケロタン達は霧の濃い湖を渡っていた。

 木船は用意されていたものの、霧の所為でちっとも向こう岸が見えず、このまま延々と湖上を彷徨い続けるのではないかという不安に駆られる。

 

 「参ったな……。」

 

 魔法が使えないエリアである為、霧を晴らす方法はない。

 このまま真っ直ぐ進んでいいものか……。

 

 「はぁ……漕ぎ疲れた。休憩しないか。」

 

 マッドがオールから手を離す。

 ケロタンも同感だったので、一旦漕ぐのをやめ、ここで食事をとることにした。

 残しておいた木の実と、湖の水でエネルギーを補給する。

 

 「ツギは来てるかな……。」

 

 テロが心配そうに呟いたので、ケロタンは疑問を投げかける。

 

 「テロも順位にこだわりないのか?」

 「あ。……うん。僕は強くなりたいだけだから……。」

 

 強くなりたいか……。

 漠然としているが、共感はできる。

 

 「ケロタンは?」

 「俺は……資格を得る為だ。」

 「資格?」

 「ああ。大きな目標があってな。それに挑む資格があるのかどうか、このレースで確かめようと思ったんだ。」

 「へぇ~……。」

 (まぁ、理由はそれだけじゃない・・・・・・・・んだけどな……。)

 「できれば上位に……いや、一位を取りたいと思ってる。」

 「なら、ライバルだな。」

 

 マッドが小さく笑みを浮かべる。

 

 「マッドはどうして参加したの?」

 「実は……好きな人がいてな。優勝したらプロポーズ……なんて考えてるんだ。」

 

 マッドが少し照れ臭そうに答えた。

 

 「じゃあ俺と一緒だな。資格を得る為。」

 「ああ。」

 

 詳しくは聞かない。

 相応しい機会は、もっと別にあるからだ。

 しかし、どうしても一つ気になることがあったので、ケロタンは聞いてみることにした。

 

 「ところでマッドの左腕って、何でドリルなんだ?」

 「……話すと長くなるぞ。」

 「……じゃあいいや。」

 

 ケロタンマッドは再びオールを握った。

 

 ◆ 第九の難関・茨の森 ◆

 

 湖の終わりが見えた時は、心底ほっとした。

 しかし、魔法が使えるようにはならず、先は棘だらけの植物が生い茂る、薄暗い森だった。

 

 「気を付けろ。毒のある種類だ。

  刺さっても死にはしないだろうが、身体が痺れてしばらく動けなくなる。」

 「んなこと言ったって……。」

 

 簡単に通り抜けられそうな道は見当たらない。

 幾ら気を付けても、無傷でここを通り抜けるのは厳しいだろう。

 

 「よいしょ……。」

 

 だが、テロは茨の道も平気そうだった。

 

 「おお。いいぞ、テロ。その調子で道を作ってくれ!」

 「うん!」

 

 テロが茨をある程度どけてくれたので、ケロタンマッドは比較的安全に森を通ることができた。

 しかし、未だに先を行く選手達の姿は見えない。

 

 「中々追い付けないな……。どんだけ離されてるんだ……?」

 

 ケロタンの焦りは募る。

 

 「後続を引き離そうと躍起になってるのかもな。だがいずれ限界は来る筈だ。」

 

 マッドは楽観しているが、ほんとにこのままのペースで勝てるだろうか。

 

 ◆ 第十の難関・底なしの沼 ◆

 

 茨の森の途中――ケロタン達は危険なに遭遇する。

 一歩踏み出せば沈み込み、もがけばもがくほど飲み込まれる底なしの沼だ。

 

 「困ったな。テロの身長と体重じゃあ、ここを通るのは難しいぞ。」

 「いや、そうでもないさ。」

 

 ケロタンには考えがあった。

 

 「触れる面積を広くして、圧力を分散すればいい。

  何か平べったいものでも橋にすりゃ、一気に通れる筈だ。」

 「それは分かるが、橋になりそうなものは……。」

 

 マッドは周囲を見回す。

 

 「そりゃそこら辺の木とか何かを掻き集めて束に……。」

 

 《パキパキパキ……

 

 「ん?」

 

 ケロタンは音に気が付き、一旦沼から離れ、森に近付いた。

 静かに草木を掻き分けていくと、その先に枯れ木のような姿をした魔物がいた。

 

 「丁度良いな。俺があいつをこの沼まで誘き寄せるから、合図をしたら後ろから突き飛ばしてくれ。

  そんで上手く橋が掛かったら、急いで渡る。いいな?」

 「分かった……!」

 

 テロは小さく頷き、マッドと共に物陰に隠れた。

 

 (さて、俺の実力の見せどころだ。)

 

 ケロタンは走り、魔物の前に勢いよく飛び出した。

 

 「オ オ オ・・・・・・!

 

 魔物は根っこのような足を止めると、幹のひび割れから不気味な目を覗かせ、ギロリとケロタンを睨み付けた。

 

 「気味わりぃ樹だなぁ!! さっさと枯れ腐れキチガイがぁ!!」

 

 「オ オ オ オ オ !!

 

 罵声を理解したのかどうかは分からないが、魔物は興奮し、幹から生えた太い腕を振るいながら、ケロタンに向かっていく。

 

 「へ~い! ウッドwww ウッドwww」

 「オ オ オ オ オ !!

 

 挑発に乗っているのかどうかは分からないが、魔物は沼の方に逃げる彼を追っていく。

 

 「キモスギィィィ!!」

 

 そしてケロタンは、あっという間に沼の前まで魔物を誘き寄せた。

 

 「今だ!」

 

 《ドンッ!!》 「オ オ オ ッ!?

 

 魔物は合図を受け飛び出したマッドテロのタックルと、ケロタンの強烈な足払いを受け、沼に倒れ込んだ。

 すると、魔物の体は重さで徐々に沼に沈んでいく。

 

 「急げ!」

 

 三人はすぐに幹に飛び乗る。

 

 「よっと……!」

 

 ジャンプ力の無いテロを引っ張り上げ、魔物の頭の方へ移動する。

 

 「くそ、まだちょっと沼が続いてる……!」

 

 色の違う地面まで後少しのところ。

 ケロタンマッドは全力で跳躍すれば越えられそうだが、テロには無理だ。

 

 「なら、最後の手段!」

 

 マッドは両手でテロを掴んで持ち上げた。

 

 「えっ? 何!?」

 「うおらああっ!!

 

 そして、全力で放り投げた!

 

 《グサッ!

 

 何とか届き、テロのトゲトゲの背中が固い地面に突き刺さる。

 

 「はぁ……ギリギリだ。」

 

 マッドが力持ちで助かった。

 その後、ケロタンマッドも沼を飛び越え、安全な地面に着地する。

 

 《ズボッ!》

 

 地面に刺さっていたテロも引き抜き、ケロタン達は次の難関に向けて走り出した。

 

 ◆ 第十一の難関・鏡の迷宮 ◆

 

 森の沼地を抜けたケロタン達の前に現れたのは、やや植物の浸食が見られる、黒く四角い建物だった。

 

 「今度は何だ……?」

 

 扉を開き、中に入ると……そこは幻想的な鏡の迷路

 壁一面に張り巡らされた鏡は、彷徨う者がやつれていく様を容赦なく映し出してくれる。

 

 「行き止まりだ。」

 

 よく注意してはいるが、中々先へ進める道が見つからない。

 

 「待った。」

 「どうした?」

 「ここの鏡だけおかしい。」

 

 ケロタンはとある鏡をじっと見つめる。

 

 「ん? そうか?」

 

 マッドはよく分からないようで、首を傾げる。

 

 「俺がまばたきするから、よく鏡を見ててくれ。」

 

 ケロタンは鏡の前で数回まばたきして見せた。

 

 「あっ。」

 

 テロは驚き目をぱちくりさせた。

 鏡に映ったケロタンの目が、全く動かなかったからだ。

 

 「これは……。」

 

 マッドも驚き、鏡を押し始めた。

 

 《ゴ ゴ ゴ ゴ・・・・・・

 

 すると、鏡の張られていた壁が押し込まれていき、そのままずっと押していくと、新しい通路に辿り着いた。

 

 「こんな仕掛けになっていたのか。」

 

 《ゴ ゴ ゴ ゴ・・・・・・

 

 マッドが手を離すと、壁は再び元の位置へと戻っていった。

 

 「よし、手分けして押せる鏡を探すぞ。鏡の前でウインクしてりゃ分かる。」

 

 攻略法さえ分かれば後は楽勝。

 ケロタン達は次々と隠し通路を発見し、出口に向かって進んでいった。

 

 ◆ 第十二の難関・森神の神殿 ◆

 

 レース開始から十三時間が経過。既に日は落ち、外は暗くなっている。

 迷宮を抜けたケロタン達は、神秘的な雰囲気の漂う神殿を発見した。

 ボスエリアと見て間違いないだろう。

 

 「いるよな……?」

 

 恐る恐る中に入るケロタン達。

 しかし……またしても奥の扉は開いていて、ボスが出て来る気配はなかった。

 

 「はええ……。」

 

 ケロタンはがっくりと項垂れる。

 

 「いや、待て。……まだ温かい。距離は縮まってる筈だ。」

 

 床の焦げ跡を調べていたマッドが立ち上がり、扉へ向かって走っていく。

 すぐにケロタンテロも後を追った。

 そうして神殿を抜けると、少し開けた場所に出た。

 近くに綺麗な川が流れており、休むには絶好のポイントと言える。

 しかし、どうやら先客がいるようだ。

 川のほとりに生えている大きな木の下で、三人の男が腰を下ろし、楽しそうに談笑している。

 先を急いでいる様子はないので、何か情報を聞き出せるかもしれない。

 

 「ああ、フレアタンか。あいつヤバいぜ。

  ボスはたった一人で倒しちまうし、この暗がりの中、先に進んでくし。」

 「俺は前回も参加してたんだが、あいつますます強くなってる。

  正直、勝つのは諦めた。一位を取れないなら、そう頑張る必要もない。」

 

 やはりフレアタン現在一位のようだ。

 

 「まだ追い付けそうか?」

 「体力があればな。ボスが倒されたのはついさっきのことだし。」

 「ちなみにフレアタン以外にもいるぜ。この先に行った奴。有名な冒険者達だから、名前は知ってる。

  砂地のスダ

  森のココオウ

  山のモゴリ

  極地のナダラ

  海のマカイ。」

 

 通り名という奴だろうか。生憎、どれも知らない。

 

 「どうする?」

 

 話を聞き終わり、マッドケロタンテロに尋ねる。

 

 「俺は行く。水飲んだらすぐ出発だ。」

 

 ケロタンは迷わず答えた。

 

 「僕は……。」

 

 テロは決めかねているようだが、順位にこだわりがないなら、ここで休んでいくべきだろう。

 

 「……そうか。悔しいが、勝てそうにないな。」

 

 マッドはその場に座り込んだ。

 

 「後半のダンジョンはもっと難易度が上がる。ここで休まなきゃ体力が持たない。」

 「ああ……。」

 

 残念だが仕方ない。

 ケロタンはここで二人と別れることにした。

 

 (フレアタン……。)

 

 何としてでもあいつに追い付かなければ……。

 ケロタンは川の水を飲み、二人に別れを告げると、意を決し、森の外へ走り出した。